尿失禁 ( 尿漏れ ) と、犬の避妊手術
尿失禁 ( 尿もれ ) とは
膀胱や尿道に炎症などの異常がないにもかかわらず、起きている時には尿を漏らさないが、眠っていて起きる時、また興奮した時に漏らしたりする場合を言います。
避妊手術を実施していない犬では、尿失禁が起こることは稀であるため、尿失禁は避妊手術後の大きな問題点と考えられています。
小型犬での尿失禁の発症は稀ですが、大型犬での発症率は、様々な報告で異なるものの 5 ~ 20% と、高率です。
一部の尿失禁は、避妊手術 ( 卵巣子宮切除 ) の後に、ごく稀に生じる子宮断端の癒着、または肉芽腫が、膀胱括約筋の機能に影響を与えることで発症するとも考えられます。
しかし、卵巣子宮切除だけに発症するのではなく、卵巣切除でもみられるため、尿失禁は、卵巣を切除 ( 卵巣が摘出される ) → ホルモンの分泌が低下することにより発症すると考えられています。
直接的な関係は証明されてはいません。
尿失禁の治療としては、外科的治療 ( 手術 ) の有効性は、あまり認められていません。
内科的治療では、エストロジェン ( ホルモン剤 ) の投与が実施され有効性もあるのですが、薬の副作用を考慮しながら、寿命が来るまで続けなければならない場合も考えられます。
そのため、避妊手術を実施する際には、尿失禁の発症の可能性についても理解していただき、避妊手術後は、尿失禁の発症の有無に対する注意が必要です。
( 数年以降に発症の可能性 )
雄犬の去勢手術後の尿失禁は、稀ではありますが発症する場合もあるようです。
猫の避妊手術後の尿失禁の発症は、報告されていません。
また、犬の尿失禁の発症に断尾が関係しているとの報告もあるようですが、詳細は不明です。
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(2013年7月更新)
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