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2018-08

犬と猫の去勢手術・避妊手術の時期=生後どれくらいが良いの?


アメリカなどの一部の諸外国では、日本と異なり里親に出す前の早期 ( 生後1,5~3,5ヵ月齢 ) に避妊手術・去勢手術を行う場合があるため、早期に手術を行なった後の副作用に関する様々な調査が行われています。

その結果多くの研究者が、早期の手術には問題がないことを報告していますが、ある報告では生後3ヵ月齢以前の犬の避妊手術では、尿失禁を発症する危険性が高くなることが報告され、また、早期の手術は成長率に影響を与えないが、前腕骨の成長板の閉鎖遅延が起こることを報告しています。

しかし、両報告ともに相反する報告もあること、ならびに臨床上では差はみられないため問題とはならないと考えられています。

猫では、早期 ( 生後1,5~3,5ヵ月齢 ) の手術により、下部尿路疾患 ( 膀胱炎、尿石症 ) に対する影響のリスクが高くなるという報告と、リスクを増加させないとする報告の両方があり、詳細は不明です。

ただし、猫の下部尿路疾患 ( 膀胱炎、尿石症 ) の発症には、肥満との関連があると考えられています。


その他に考慮する事項

■ 乳腺腫瘍の発生率

初回発情前の早期 ( 生後1,5~3,5ヵ月齢 ) に、卵巣を摘出 ( 避妊手術 ) したほうが、発症率は低くなる。

関連トピック↓

犬の乳腺腫瘍

犬の乳腺腫瘍‥2012冬、論文より

猫の乳腺腫瘍


■ 性ホルモンに関連した問題行動

問題行動 ( 不適切な排尿行動、等 ) を、起こしていた時間が長いほど手術後の改善がみられない傾向があります。
これはホルモンの影響というより、学習要素の問題が大きく関与しているためだと考えられています。


■ 手術要因

手術のタイミングが生後3,5ヵ月以前では、腹腔内の脂肪が少なく卵巣組織や血管の確認は容易であると考えられるが、ある程度成長し、手術時すでに肥満になっている場合は、内臓脂肪により手術が難しくなり出血が多くなるというリスクも高くなることが予想されます。


■ 全身麻酔

手術のタイミングが生後3,5ヵ月以前では、肝臓の代謝 ・ 腎臓の排泄 ・ 肺 ・ 体温調節の機能が未熟であるため、麻酔のリスクが高くなる可能性があります。


■ 身体的

生後3,5ヵ月以前に手術を行うと、
メスの場合は、外陰部が未発達 ( 小さい → 陥没ぎみ → シワができる → 皮膚の状態が不健康 ) となり、皮膚炎や膣炎がおこる可能性があります。
オスの場合は、包皮や陰茎、陰茎骨が未熟となる可能性があります。



以上のことから、避妊手術 ・ 去勢手術を行う時期として、早期 ( 3,5ヶ月齢以前 ) に行うことに、大きな問題は無いものの特別なメリットも無いと考えられます。

そのため、ある程度身体が成長し、性成熟に達する前の時期が適切だと思われます。

犬では生後6~8ヵ月齢、猫では生後6ヵ月齢前後が推奨されますが、
犬種 ・ 猫種によって性成熟の時期が異なるため ( 大型は小型より遅い ) 、適切な時期を見極める必要があります。

個体差もありますしね。

いずれにしても動物病院とメリット・デメリットを相談して決めましょう。


関連トピック↓もっと色々知りたい

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犬、避妊手術後の尿失禁に対する治療情報
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【HPお知らせ版】猫の発情、今昔の違い
(2016年2月更新)


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